同窓生が受け入れを担う
15年続く「高1職場体験プログラム」

田園調布雙葉学園高等学校で行われている「職場体験(インターンシップ)プログラム」をご存知でしょうか。毎夏、主に同窓生が在籍する企業や組織にて、高校1年生全員が職場体験を行なっています。詳しい話しを、2018年から22年度まで進路学習指導部担当でいらした、小林潤一郎先生に伺いました。

田園調布雙葉学園で職場体験プログラムが始まったのは、2009年。文部科学省が「(公立)中学校における職場体験」を推奨し始めた頃です。中高一貫教育である田園調布雙葉学園においては、様々なカリキュラムとの兼ね合いで、高1が対象学年として選ばれたと言います。

導入に際して、同窓会の発行する「雙葉」や「同窓会だより」を通じ、同窓生に広く受け入れを募集したところ、毎年1学年120名前後の学生たち全員を受け入れてくださる組織や企業が確保できているそうです。

受入先については毎年変化があるものの、省庁、コンサルティングファーム、弁護士事務所、病院から、一般企業や大学、民宿までと、幅が広いのが特徴です。コロナ禍もオンラインで継続し続けたこのプログラムは、「生徒に良い刺激となっている」と小林先生は話します。

受入先で体験できる内容は、質疑応答や職場ツアーのような「聞くこと」が中心のものもあれば、実際に商品開発のプロセスをワークショップ形式で体験する組織もあるそうです。さらに、職場体験で得た情報や経験は、後日「発表会」を通じて、クラスメイトと共有していると言います。

私も、フリーランスジャーナリストとして自宅を職場として仕事をしていますが、高校生に自分の経験を共有したいと、2021年から体験の受け入れをしています。毎年実際にインタビュー動画を見てもらい、短い記事を執筆してもらいます。それを元に一緒にデジタル編集をしながら、ニュース記事のレイアウトに落とし込んだものを作成することで、ジャーナリストの仕事を体験してもらっています。

女性の働き方は、以前に比べずっと多様性を持つようになりました。同窓生の中には、企業や組織に勤めるだけでなく、特技を生かした教室を開いたり、個人事務所やフリーランスとして仕事を請け負ったりしている方も多いのでないでしょうか。

2023年度から進路学習指導部を率いておられる桜井吾朗先生からは「生徒たちは職場体験を通してさまざまな方と交流し、貴重な経験をさせていただくことで、将来の生き方や進路を考えるきっかけとなっております。同窓会の皆様の、活動受け入れへのご理解とご協力を引き続きよろしくお願いいたします」とメッセージをいただいています。

ぜひみなさんの働き方を、在校生と共有してみませんか。

(41回生 寺町幸枝)